身近な日常をやんわりデータサイエンスしてみよう

身近な情報や現象からデータを取り出して解析してみます。

2022年秋ドラマの「silent」をデータで振り返る

 2022年秋に放送され見逃し配信数の記録を作って大変話題になったドラマの「silent」をツイートとグーグルトレンドのデータで振り返ります。

www.fujitv.co.jp

 ドラマ視聴の感想などは下記のブログに多くの方が寄せていますので、そちらを御覧ください。 
 私は、無音での対話の場面がとても印象的でした。音を介せないコミュニケーションへの一瞬の絶望感とそこからの再構築に見えてくる微かな希望が胸に刺さりました。
note.com

"silent"のグーグルトレンド

 グーグルトレンドはグーグル検索された頻度データです。視聴者が情報を調べたり、探したりする際の検索行動が集積されていて、ドラマ「silent」への関心の高さが反映されています。検索キーワードは”silent”です。
 グーグルトレンドのウエブページから手動で、またはPythonなどで作成したプログラムでオートに下記の情報を取得することができます。

  • トレンド推移: 検索キーワード "silent" の検索頻度の時系列推移
  • 関心の高い関連キーワード: 該当のキーワード "silent" を検索するユーザーはこれらのキーワードも検索しています。

トレンド推移

 全11回の放送回ごとに検索頻度のピークが発生しています。視聴中、視聴直後に関心が高まり検索されています。初回から3回めの放映と特に最終回の放映で関心が高くなっています。ピークの谷間、最終回のピーク後も高いトレンドで、見逃し視聴やSNSでの盛り上がりによるものと思われます。

グーグルトレンド

全放送通しての関心の高い関連キーワード頻度ランキング

 1位から3位までは3人のメインキャストです。4位の"twiiter silent" はツイッターでの盛り上がりが氣になっているということでしょう。5位の"silent 無料"は見逃しやリピート視聴できる配信サイトを探しているのでしょう。主人公二人が好きだったスピッツの曲だったり、音がない言葉としての花言葉への関心が現れています。

  1. 目黒 蓮 silent
  2. 川口 春奈 silent
  3. silent 鈴鹿 央 士
  4. twitter silent
  5. silent 無料
  6. 手話
  7. ドラマ サイレント
  8. silent 映画
  9. スピッツ
  10. スピッツ silent
  11. silent 花 言葉

"silent"のツイート

 ツイートには視聴者が共感したい感情や共有したい情報などが投稿されています。
最終回の終了後15分ごろのツイート約1,000件を収集して頻出したキーワードを調べました。
最終回及びドラマ全体を通しての視聴者の感想が取得されています。

WordCloud

 頻出したキーワードを頻度に応じて大きく表示するWordCloudで表しました。
”最後”と”素敵”が印象的です。

wordcloud

名詞頻度ランキング

 ドラマの最終回なので ”ドラマ”、”最後”、”最終” が頻出しています。
 二人の主人公の名前、 ”紬”と"想” も頻出しています。また、 "幸せ”と”言葉” はドラマ全体のキーワードですね。

  1. ドラマ
  2. 最後
  3. 素敵
  4. 最終
  5. 幸せ
  6. 言葉

形容詞頻度ランキング

 最終回とドラマ全体への視聴者の感想が頻出しています。
”温かい”、”あったかい”、”温かい” が、ドラマ全体の雰囲気を表していますね。
”寂しい”、”悲しい”、”切ない” は最終回への心情ですね。

  1. 良い、よい、いい
  2. 優しい
  3. 素晴らしい
  4. すごい、凄い
  5. 温かい、あったかい、暖かい
  6. 可愛い
  7. 寂しい、悲しい、切ない
  8. 楽しい

関連キーワード

 Googleから公開された自然言語処理Word2Vecを用いたPythonのプログラムで、ドラマへのツイートのなかで該当キーワードに関連するワードを算出することができます。算出された関連ワードを眺めると、該当キーワードのこのドラマでの意味や位置づけが見えてきます。

  • ヒロインの名前””に関連するキーワードには、名字の"青羽”と”可愛い”が、ドラマのキーとなる、“”、””、”耳打ち”、”聞く”、”聞こえる”、”囁く”などの表現が、また相手役の名前の””、””が並びました。
  • 素敵”に関連するキーワードには、”最高”、"出逢う”、”良い”、”待ち遠しい”、”素晴らしい”がありました。
  • 温かい”に関連するキーワードには、”切ない”、”穏やか”、”暖かい”、”胸がいっぱい”、”苦しい”などの視聴者のやや入り混じった心情を示すワードが並びました。